【初めての社会人向け】《正社員求人票》給料の見方を解説!

仕事探しをするにあたり、「給料」を重視するという方が多くいらっしゃいます。
生活のために働くわけですから、収入は大切です。

初めて社会人になる方は、「求人票のどこを注視したらいいのか分からない」という方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、正社員求人の給与の見方について解説していきます。
基本を押さえた内容なので、これから初めて働くという方は必見です。

目次

「基本給」と「月給」の違い

求人票の給与欄を、「基本給」と「月給」という表記を見ることはありませんか?
同じ様に見えるかもしれませんが、両者は全く別のものです。
以下に、違いを解説します。

基本給

基本給とは、従業員に支払われる給与のうち、基本的な労働に対する対価として支給される金額のことを指します。
職務の内容や業績によらず、従業員が単純に働いているだけで受け取ることができる「最低限の給与」のことです。
従業員の役職、経験、勤務時間などに基づいて設定されることがありますが、基本的には最低賃金法や労働法などの規制に基づいて設定されることもあります。

また、基本給は労働者のスキルや経験の向上、業績の改善、組織の方針などに応じて昇給することもあります。

インセンティブや残業手当、通勤手当などの各種手当を一切含まない給与を“基本給”と呼びます。

月給

月給とは、従業員に対して1ヶ月単位で支払われる給与の形態のことを指します。
この金額は基本給や役職、職務内容、経験などに応じて決められ、通常は月ごとに一定です。
月給制度によって、従業員は毎月決まった金額の給与を受け取ることができます。

「基本給」+「固定の手当(毎月金額に変動のない手当)」を合わせた給与を“月給”と呼びます。

企業によって、入社後に試用期間や研修期間を設けている場合があります。
期間中は手当の支給が無く月給が減給している企業もあるので、試用期間・研修期間の有無を求人票で確認しておきましょう。

「月収」と「手取り」とは

求人票を見ると、「月収◯◯万円可能」といった内容を見かけることがあります。
また、「手取りは◯◯だった」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下に、「月収」と「手取り」について解説します。

月収

月収とは、従業員が1ヶ月間に受け取る給与の総額を指します。
基本給や手当、ボーナス、残業手当などを含んだ金額です。

月収は従業員の労働契約や雇用条件、職位、業務内容、労働時間などによって異なります。
例えば、残業(残業代)によって月収も変動します。
また、月収×12ヶ月分(1年分)のことを「年収」と呼びます。

求人票に月収例として、その会社の社員の収入例が記載されている場合があります。
一概には言えませんが、月収例の内訳や詳細が記載されている内容は、丁寧なものだと思っていいでしょう。
内訳の記載が無く「月収◯◯万円可能!」といった文言のみの場合は、おとり広告の可能性もあるので注意が必要です。

手取り

手取りとは、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの税金や社会保険料が差し引かれた後の額を指します。
これらの差し引きは、国や地域の税制や社会保険制度に基づいて計算されます。
実際に自分の銀行口座に振り込まれる給与を“手取り”と呼びます。

給与明細書などで手取り額を確認することができ、これを元に個人の家計や支出計画を立てる際に重要な要素となります。
また、手取り額は税制改革や社会保険の変更によっても変動するので、求人票には記載されていません。

月収が高く記載されていても、実際に貰える額は税金や保険料を引かれた額となります。

各種手当

給与には、さまざまな手当が存在します。
これらの手当は、従業員の労働に対する報酬や特定の条件を反映しています。
以下に、一般的な各種手当をいくつか挙げてみましょう。

残業手当

通常の労働時間外に追加で働いた際に支給される手当です。
1時間あたりの給与に対して、25%(1.25倍)増しの金額が支給されます。
残業が月60時間を超えた場合は、1時間あたりの給与に対して50%(2.5倍)増しの金額が支給されます。

以下に、残業手当の一般的な支給条件を例を挙げます。

通常の労働時間を超える場合

通常の労働時間(基本労働時間)を超えて労働を行った場合に支給されることが多いです。
例えば、1日8時間が通常労働時間である場合、これを超える時間が残業となり、その超過分に対して残業手当が支給されます。

週の所定労働時間を超える場合

週の所定労働時間を超える場合にも、超過分に対して残業手当が支給されることがあります。
例えば、週40時間が所定労働時間である場合、これを超える時間が残業となります。

休日や深夜に労働する場合

休日や深夜(特定の時間帯)に労働を行った場合、通常労働時間内であっても特別な条件で残業手当が支給されることがあります。

固定残業代制

一定の固定金額を月々の給与に含めて残業手当として支給する制度です。
通常の残業時間に関わらず、定められた金額が支給されます。
また、月間の固定残業代の上限が設定されていることがあります。
この上限を超えて労働する場合には、超過分に対して追加の支給が行わなければなりません。

例えば、給与欄が以下の様な内容の求人票があった場合
例:月給◯万円/固定残業代◯万円(30時間分含む)※超過分別途支給
→月30時間までの残業代は、月給に含まれているということになります。
→仮に35時間の残業をした場合は、5時間分の残業代が別途で支給されるということになります。

経営者や管理職には通常の労働時間外でも給与が支給されるため、残業手当の対象外となることもあります。

休日出勤手当

休日や祝日に労働を行う場合に支給される手当です。

法定休日の場合

1時間あたりの給与に対して35%(1.35倍)増しの金額が支給されます。

法定外休日の場合

1日8時間・週40時間を超えた場合、1時間あたりの給与に対して25%(1.25倍)増しの金額が支給されます。

企業によって祝日の扱い方は異なります。
カレンダー上では祝日だとしても、通常通り出勤という場合もあります。

通勤手当

通勤経費の一部を補填するために支給される手当です。
通勤手段や通勤距離によって異なる場合があります。

深夜手当

深夜労働(22時〜翌5時)を行った際に支給される手当です。
1時間あたりの給与に対して、25%増し(1.25倍)の金額が支給されます。

深夜(22時〜翌5時)に残業を行った場合
・深夜手当として、1時間あたりの給与に対して、25%(1.25倍)
・残業手当として、1時間あたりの給与に対して、25%(1.25倍)
合計50%増しの金額が支給されることになります。

役職手当

特定の職位や役職についている従業員に支給される手当です。
責任や業務内容に応じて支給されることがあります。

技能手当

特定の技能や資格を持つ従業員に支給される手当です。
専門的な能力や知識を評価するために設けられることがあります。

家族手当

従業員が家族を養っている場合に支給される手当です。
家族の人数によって異なる場合があります。

住宅手当

住居の賃貸料や住宅ローンの支払いに対する手当です。
地域や組織によって異なる場合があります。

これらは一般的な例であり、企業や地域によって異なる種類の手当が設けられている可能性があります。
手当は従業員のモチベーションや労働条件を改善するためにも重要な役割を果たしています。

給与から天引きされるもの

給与から差し引かれるものには、いくつかの種類があります。
以下に一般的な差し引き項目を挙げてみましょう。

所得税

支払うべき所得税が差し引かれます。
所得税の額は所得の多寡や税制によって異なります。

住民税(市民税)

居住地域の自治体に対して支払う住民税が差し引かれます。
地域ごとに異なる税率が適用されることがあります。

住民税(市民税)には、以下2種類の徴収方法があります。

普通徴収

普通徴収は、従業員の給与から毎月一定の額が差し引かれて住民税が徴収される方法です。
この徴収方法では、給与所得者が1年間を通じて収入を得る際に予め徴収される額が分散されて差し引かれます。年末に確定申告を行い、実際の収入と支払った税金を比較することで、過不足が調整されます。
普通徴収の場合、年末に追加の調整が必要な場合があります。

納付方法:送られてきた納税通知書を、納付書や口座振替などで自ら納める

特別徴収

特別徴収は、年末調整に基づいて、従業員の給与から住民税を徴収する方法です。
年末調整によって、従業員の家族構成や給与所得などが考慮され、適切な税率や控除が適用された金額が計算されます。
年末調整で計算された金額を基に、年間を通じて一定額が給与から差し引かれます。
特別徴収の場合、年末に追加の調整は少なくなります。

納付方法:給与から天引きして、会社が代わりに納める

企業に所属していれば、特別な理由がない限りは特別徴収によって納付するのが一般的です。

住民税は前年の給与所得に対して課税されるものです。
働くことが初めての方は、入社2年目から給与から天引きされます。

社会保険料

健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が差し引かれます。
これは健康保険や年金のために支払われるものです。

雇用保険料

失業時に備えて支払う雇用保険料が差し引かれます。

年金控除

厚生年金保険料を支払った場合、その一部が年金控除として差し引かれることがあります。

組合費

労働組合への加入がある場合、組合費が差し引かれることがあります。

その他の控除

賃金の天引きや会社からの借入返済など、個別の控除がある場合があります。

これらの差し引き項目は、国や地域の法律や規則、雇用契約によって異なる場合があります。
従業員は給与明細書などを通じて、給与からどのような控除が行われたかを確認することができます。

まとめ

給与はただ大きい金額が記載されていれば、良いという訳ではありません。
税金や保険料が引かれ、最終的に残るのは手取りの額面であることをご理解頂けたら、筆者も嬉しいです。

最後に求人票を見る際に給与情報を確認する際のポイントを、以下にまとめます。

  • 基本給や月給の表示
  • ボーナスや賞与の情報
  • 残業手当や特別手当の記載
  • 昇給や昇進に関する情報
  • 他の福利厚生や手当の記載
  • 試用期間中の給与

求人票には給与に関する詳細情報が記載されているはずですが、必要に応じて企業の採用担当者に詳細を問い合わせることも重要です。
給与情報をよく理解し、自身の経済的な状況やキャリア目標に合った求人を選ぶことが大切です。

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