はじめに
転職活動の第一歩は履歴書や職務経歴書の提出です。しかし、未経験の業界や職種に転職したい場合、自分の経験やスキルをアピールしにくいのが現状です。
そこで本記事では、未経験からの転職を考えている方に向けて、熱意と成長可能性を効果的にアピールできる職務経歴書の書き方を解説します。企業が未経験者採用するメリットとポイントを知り、意欲と能力を積極的にアピールすることで、書類選考を突破しましょう。
未経験からの転職を考える背景とメリット
転職を考える理由(求めること)を明確化
未経験からの転職を考えるきっかけは人それぞれです。自分が何を求めて転職を考えているのかを明確にしておきましょう。
一方で、企業にとっても未経験者を採用するメリットがいくつかあります。
企業側が未経験採用するメリット
- 新しい風を取り入れられる
- イチから育成できる
- 固定観念がない
職務経歴書でアピールすべきポイント
未経験からの転職を考える場合、職務経歴書でアピールすべき主なポイントは次の3つです。
- 熱意、前向きさ、チャレンジ精神
- 成長可能性、吸収力、柔軟性
- 志望動機の明確化
熱意、前向きさ、チャレンジ精神
- 未経験からの転職は大きなチャレンジ。そのため、強い熱意と前向きな姿勢が必要。
- 新しいことに対する挑戦意欲を示すことで、可能性を信じて成長していけるという印象を与える。
- 自主的な学習や資格取得など、具体的な行動で熱意をアピールする。
成長可能性、吸収力、柔軟性
- 未経験でも高い成長の余地があることを訴求する。
- 新しいことを吸収する力があるので、短期間で業務を習得できることを示す。
- 柔軟な発想で新たな価値を創造できる可能性があることをアピール。
志望動機の明確化
- なぜその企業や職種に魅力を感じるのかを明確に説明する。
- 自分のキャリア形成の観点から、その仕事が向いている理由を述べる。
- 他社との比較考量の上で、第一志望だと訴求する。
職務経歴書の書き方とNG例
職務経歴書の書き方には採用担当者の視点を意識するのがコツです。文章の構成や表現の仕方でNGとなりやすい例と改善案を示します。
採用担当者の視点でのポイント
- 採用担当者は多忙な中で書類を確認するため、読みやすさと論旨の明快さが重要
- 簡潔な文章でキーポイントを端的に示すのがコツ
- 文章構成の流れを意識し、箇条書きや改行を活用する
- 熱意や意欲、可能性を感じ取ってもらう表現に注意する
言葉遣い、具体性、文章構成の注意点
- 言葉遣いは明るく前向きなイメージを持たせる
- あいまいな表現は避け、具体例やデータを用いる
- 簡潔で論理的に文章を構成し、重要ポイントを前に出す
- 採用担当者の立場に立って読みやすさを考える
NG例と改善案
- NG例:熱意が感じられない表現
- 改善案:具体的な自主的な活動を例示する
- NG例:職務内容の記載が抽象的
- 改善案:業務シーンをイメージしながら具体的に記載する
- NG例:言葉の選択が消極的
- 改善案:能動的な言い回しに変える
職種別の自己PR例
ここでは、事務職、営業職、エンジニアなど、職種別に自己PRの例文を示します。未経験からの転職の場合、職種特有のアピールポイントを理解することが重要です。
事務職の例文
私はこれまでサービス業の営業として働いてきましたが、この度事務職への転職を考えています。営業としての経験から、効率的な時間管理能力や計画性の高さを身につけることができました。また、各種書類の作成やデータ入力といった事務作業も行ってきたため、基本的なPCスキルは習得しています。
転職後は、これまで培った時間管理能力を活かし、的確な判断のもとに業務を進めたいと考えています。未経験の事務職へのチャレンジに不安もありますが、これを克服するためには日々の努力が必要だと考えています。夜間の事務検定の取得や書籍を通じた知識習得に励み、早期に通用する事務力を身につけたいと思っています。貴社の事務職として働くことで、私の可能性が大きく広がると確信しています。微力ではございますが、貴社の事業運営に尽力できれば幸いです。
営業職の例文
私はこれまで事務職として働いてきましたが、この度営業職への転職を考えています。事務職として顧客対応の経験があり、提供するサービスを分かりやすく説明する力は身につけていると自負しています。また、提案書作成の業務を通じて、相手の立場に立って考える力も養うことができました。
営業職に転職後は、これまでの経験を活かしながら、自ら積極的に顧客を開拓していきたいと考えています。未経験の分野ではありますが、営業に必要なコミュニケーション能力は持ち合わせていると考えています。セミナー受講や営業手法の書籍学習により、営業の専門知識もスピード感を持って習得し、早期に結果を出せる営業マンになることを目指します。微力ではありますが、貴社の営業力向上に貢献できれば幸いです。
エンジニアの例文
これまで小売店で働いてきましたが、この度エンジニアへの転職を考えています。小売店では、POSレジスターの使い方を覚えるなど、機器の操作に関する習熟力が身についていると自負しています。また、利用者の立場に立って分かりやすく説明することの重要性を学びました。
エンジニアへの転職後は、これまでの経験で培った習熟力と利用者思考を活かしたいと考えています。プログラミングに関する知識はまだ十分ではありませんが、オンラインでの学習に加え、教育機関で基礎から体系的に学んでいきます。エンジニアとしての専門能力を着実に身につけ、システム開発の一員として貢献できるよう努力します。貴社でエンジニアとして活躍することを強く希望します。
採用面接でのアピールポイント
最後に、書類選考を通過した後の採用面接でのアピールポイントを整理します。自分の長所や成長性を引き出す表現術がカギとなります。
面接官の質問に対する答え方のコツ
- 質問の意図を汲み取る – 面接官が何を知りたいのかを考える
- 要点を絞って答える – 簡潔に主要なポイントを伝える
- 具体例を用いる – 可能な限り事例やデータを用いて説明する
- 言葉遣いに注意する – 明るく前向きな表現を使う
- 話の流れを意識する – 面接の文脈に合わせて答えを導く
自分の長所・成長性を引き出す表現術
- 強みを分析し、言語化する – 自分の強みを明確に自覚する
- 過去の実績を例示する – 具体的事例で能力を示す
- 困難を乗り越えた経験を活用する – そこから学び成長を訴求する
- 将来の成長可能性を語る – 目標と成長への意欲を表明する
- 企業ニーズとのリンクを意識する – 企業にどう貢献できるかを念頭に
おわりに
未経験からの転職はハードルが高いですが、本記事が自分の熱意と成長性をアピールする一助となれば幸いです。目標を明確に描き、前向きな姿勢でチャレンジしていきましょう。
コメント