製造業への転職を考えている方にとって、「志望動機」の作成は大変重要です。志望動機をしっかり書けば採用の可能性が高まります。本記事では、製造業転職の志望動機を書く意義とポイントを解説し、経験者と未経験者の場合で例文を紹介します。ぜひ参考にして、採用に強い志望動機を作成してください。
製造業転職の志望動機を書く意義
製造業への転職を考えている方は、履歴書やエントリーシートの「志望動機」欄が大変重要だと認識しましょう。志望動機は面接での印象以上に採用を左右するケースが多いのです。
以下の3つの理由から、志望動機は採用のカギとなります。
(1)会社研究と熱意がわかる
志望動機からは、応募者がその企業をどの程度理解し、熱意を持っているかがわかります。企業研究が不足していたり、他社への転職希望者のつけ足しのような記述では採用の可能性は低くなります。
(2)自分の強みとのマッチングが見える
志望動機からは、応募者の特徴や強みと仕事内容とのマッチングが見えてきます。自分の経験と能力が、どのようにその職務に活かせるかが明確になる必要があります。
(3)入社後のイメージが描ける
採用担当者にとって、入社後にどのように成長し活躍してくれるのか想像できることが大切です。志望動機から入社後の活躍が見えてくると採用したくなります。
以上のように、志望動機は採用可否に大きな影響を与えます。経験のあるないに関わらず、しっかり書くことが不可欠なのです。
製造業経験者の場合の志望動機の書き方
次に、製造業経験者の場合の志望動機の書き方について解説します。
(1)製造業での経験を生かすポイント
製造業経験者の大きな強みは、製造業の知識とノウハウを持っていることです。そのため、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 自分が製造現場で経験したことを具体的に書く
- その経験が、応募先の仕事にどう活かせるかを明示する
- 製造業ならではの専門用語を適度に用いる
これらを意識することで、製造業ならではの経験と知見が活かせることをアピールできます。
(2)職務経験別の志望動機例文
次に、職務経験別に志望動機の例文を紹介します。参考にしてください。
■製造現場の経験を生かす場合
私はこれまで食品メーカーの製造ラインで5年間製造作業に携わってきました。製造工程全体を俯瞰し、生産性と品質の向上に取り組んできた経験を生かし、貴社の製造現場で主体的に業務改善に取り組みたいと考えています。
■ライン作業の経験を生かす場合
これまで自動車部品工場で組立ラインに5年間携わってきました。作業工程を理解し、チームの作業バランスを調整して生産効率を上げることに貢献できた経験があります。貴社でも製造ラインの作業効率化に生かしていきたいです。
■検品・検査の経験を生かす場合
電子部品工場で7年間、製品の検査工程に携わってきました。不良品発生の要因を分析し、管理基準を見直すことで、不良率を0.5%削減できました。貴社にて製品検査の業務知識とノウハウを発揮できればと考えています。
■機械操作の経験を生かす場合
自動車工場にて、金型設計用の設計ソフトと3D-CADの操作に3年間携わってきました。金型の設計データを生成する一連の業務ができます。貴社のものづくりに役立てたいスキルと実績があるので、是非機会をいただきたいです。
このように、具体的な職務経験とそれをどう生かすかを明記することがポイントです。自身の強みを採用担当者に伝えましょう。
製造業未経験者の場合の志望動機の書き方
次に、製造業未経験者の志望動機の書き方について解説します。
(1)製造業への思いを具体的に記述する
未経験者の場合、製造業に対する漠然とした思いや、他社受からずのさいのつけ足し感は避ける必要があります。なぜ製造業やその企業を目指しているのか、具体的な理由を以下のような形で記載しましょう。
- 家族に製造業に携わる人がいる
- 地元の雇用を支える重要な産業だと思う
- 製品づくりに関心があり、大学でもその分野を専攻
- 企業の技術力や製品に魅力を感じる
- 成長性の高さに期待感がある 等
(2)関連する資格を取得している場合の記載ポイント
製造業では活用できる資格がたくさんあります。未経験者も関連資格を取得している場合は、それをアピールする意義は大きいです。記載する際は、以下のポイントに留意しましょう。
- 取得した資格名を正確に記載する
- その資格がどのように業務に活きるのかを簡潔に記載する
- 複数の資格を取得した実績がある場合は全て列挙する
- 現在取得に向けて勉強中の資格があれば、それも記載する
(3)未経験者でもアピールできる点
未経験者には、製造業の知識が乏しいという弱みがあります。しかし、人柄や意欲、判断力、協調性などの強みは製造業でも十分に活きます。自分の長所を以下の例文のようにアピールしましょう。
- 規律正しく、細かなミスが少ない
- 人づきあいが得意で、どんな人とも仲良くできる
- 複数の作業を並行してこなす速さがある
- 理不尽なことがあっても我慢強く耐えられる 等
(4)志望動機例文
未経験者の場合の志望動機例文を以下に紹介します。
■大卒で製造業未経験の場合
製造業への就職を希望する理由は、貴社のものづくり現場で技術を磨きながら成長できる環境に魅力を感じたからです。大学時代に設計や工作実習を通じて、ものづくりの面白さに開眼しました。貴社の最先端の技術に触れ、基礎から実務を学びたいと考えています。未経験者でも製造現場で活躍できるよう全力で取り組みます。
■飲食店からの転職希望者の場合
私は飲食店で店長として働いていましたが、新たな挑戦として製造業を目指そうと思い立ちました。貴社は地域に根差した企業で、しっかりとした人材教育があることに魅力を感じています。これまで培ったコミュニケーション能力や行動力を生かし、ひとりでも多くの技能を身に付けて製造のプロになりたいと思っています。ぜひチャンスを与えてください。
このように、熱意と可能性を感じさせる内容を心がけましょう。
志望動機を書く際の注意点
志望動機を作成する際の注意点をまとめました。参考にしてください。
(1)企業研究をしっかり行う
志望動機では、その企業を充分に理解した内容でなければなりません。企業の強み、製品、理念、事業方針などを調べておきましょう。
(2)汎用的な文章は避ける
「一生懸命働きます」「正社員として地位を全うしたい」などの汎用的文章はなるべく避けましょう。自分とその企業の結びつきを考えることが重要です。
(3)他社の文章の流用は禁物
他社への応募で使った志望動機の流用はもちろん、ネットの句集などの代用もダメです。必ずオリジナルの内容を心がけることが大切です。
(4)事実と異なる記載はしない
実際の職務経験と異なる経歴の装飾はリスクが大きいので避けましょう。また、取得していない資格の記載もご遠慮ください。
まとめ
以上、製造業転職における志望動機の書き方について解説しました。
採用の可否に大きく影響する志望動機をしっかり作成することが、製造業への就職・転職の第一歩となります。自分の強みとその企業の魅力の結びつきを見せることを心がけ、経験者、未経験者それぞれの特徴を生かした内容を記載しましょう。この記事が志望動機作成の一助となれば幸いです。
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