早期退職の失敗談話

退職したい!早期退職でも構わないからすぐにでも会社を辞めてしまいたいと考えている人もいるでしょう。

しかし、定年を待たずに会社を辞めてしまうのは考え直したほうがいいでしょう。

私は、定年まで5年余りを残して早期退職に踏み切りました。

今、考え直してみても当時の私の行動はあまりにも無謀でした。

無謀というよりも無策といったほうがいいかもしれません。

早期退職後の生活は考えるほどに甘いものではありませんでした。

ここでは、私の早期退職の失敗談をお話しします。参考になれば幸いです。

目次

退職を決断した経緯

私は、東京に本社を置く繊維製造メーカーで働いていました。

仕事は、毎日忙しく、残業に次ぐ残業で、ゆっくりと休める日もありませんでした。

しかし、仕事は忙しくても、毎日、働いているという充実感はありました。

給料も、満足とはいえないまでも金銭的な不満は持ってはいませんでした。

その状況が一変したのが父親の痴ほう症でした。

田舎では、そんな父親の介護を年老いた母親が担っていました。

母親も足腰が弱く、本来なら介護が必要な状態でした。

いわゆる「老々介護」の状況でした。

私は長男で一人っ子でした。両親の介護を担うのは私しかいませんでした。

私は、これが当時の私の取れる最善の策だと考えて退職しました。

妻も最終的には賛成してくれました。

退職後は毎日、職安通いに

都市圏と違って、地方ではなかなか就職口は見つかりません。

毎日、職安へと通って、求人票の確認と窓口での就職のための相談と面談の日々でした。

蓄えは少しはありましたが雇用保険だけでは日々の暮らしにも不安だけが募りました。

ただ、これまで借家であった分、両親の持ち家に同居する形になりましたから月々の支払いの心配はなくなりました。

父親が公務員として働いていましたので共済年金があったのは大助かりでした。

また、妻が献身的に両親の介護の世話をしてくれたことは助かりました。

生活を何とか安定させたい!二人の息子の高校・大学への進学にも相当の学費もかかってしまう!

「何とか稼げる方法はないものだろうか!」そこで思いついたのが貸家業でした。

父親は、古いながらも貸家を4軒ほど保有していました。それを受け継ぐ形で私が大家になりました。

ただ、貸家といっても何十年も経過した古い木造タイプの一軒家でしたからなかなか借り手もいません。

流し台や浴室、便所のリフォームを実施し、ようやく全室が満室になり喜んでいたのもつかの間、借家人が家賃も払わずにトンズラという目にも遭いました。

リフォームにかかった費用は、概ね、400万円ほどでしたが、取り戻すのも容易なことではありませんでした。

家賃に頼る状況が続きましたが、職業は相変わらず「無職」のまま職探しも並行して行いました。

地方での職探しは都会に比べれば途方もなく大変でした。

資格を取得するために勉強

地方では、中高年者に対する求人はほとんどありません。

あってもアルバイトのような簡単な業種のみに限られました。

とても正社員として雇ってくれる会社は縁故などよほどのことがない限り見つけることは困難でした。

職安の担当者からよく問われたのが、「何か資格は」保有していますかということでした。

資格取得の勉強などこれまで実施したことがありません。

職安の担当者の話からは「建築・土木・施設管理」の取得がより有利だと言われて資格取得を目指しました。

猛勉強の末に、2年間で「宅建、行政書士、測量士補・危険物」の資格を取得できました。

ただ、これらの資格を取得したからといって希望の業種への就職はなかなか難しいものがありました。

第1希望は宅建の資格を活かして不動産会社への就職でしたが、面接で簡単に断られました。

行政書士は、自営業向きのために就職には向いていません。

測量士補は、測量会社の社員はほとんどが保有しているために、中高齢者への門戸は開いていません。

使えた資格は、危険物のみでした。

危険物乙種四類を取得していたおかげで給油店での臨時雇用にありつけました。

いまでもアルバイト程度で働いています。

資格が職場で活かせるのは、中高齢者ではなく若いときだけだということを身をもって体験しました。

現在は

退職してから10年以上が過ぎました。

厚生年金も頂けるようになりましたが、生活は苦しいままです。

両親も他界し、子供も巣立って社会人として会社勤めをしています。

妻は、パートで働き家計を助けています。

私は年金収入とアルバイトに精出しています。

シニア用求人へも登録していて、剪定作業や何でも屋みたいな作業も引き受けています。

晴耕雨読ではありませんが、晴れた日は外でのアルバイトを、雨の日にはフリーのライターとして記事の作成に没頭しています。

また、最近は株への興味がわいてきて、株取引を時間の合間にしています。

失敗から学ぶ教訓

はっきりといって私の早期退職は失敗でした。

早期退職をしなかったら、人生はまた変わったものになっていたでしょう。

早急に、退職の結論を出したのがそもそも失敗だったと後悔しています。

そこで私が失敗から学んだものは次のようなものでした。

  1. 退職は、よくよく考えて結論を出す。結論を出し急がない。
  2. 周りの人の話をよく聞いて、アドバイスをもらう。
  3. 中高年者の求人はほとんどないものと思え。
  4. 介護は専門の施設に任すべき。
  5. 資格は若いうちに、仕事に必要な資格を取得するべき。
  6. 貯蓄はいざというときの生活の糧である。貯蓄は若いうちから励もう。
  7. 忍耐と努力はいくつになっても必要だ。
  8. 妻にはいつも感謝の気持ちを忘れないように。

失敗から学ぶ教訓は、残りの人生にとってはとても大切なものです。

失敗を経験に次へと飛躍する気持ちはさらに大切です。

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