40代半ば以降での転職は、20代や30代に比べてハードルが高くなることが知られています。
しかし、年齢だけで断念することなく、適切な方法で取り組めば転職は可能です。
本記事では、40代の転職が厳しい理由と実態についてデータを交えて詳しく解説します。
さらに、40代で転職を成功させるための具体的なアドバイスを数多く提示しました。
40代で転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
40代の転職が厳しいデータ
総務省の「労働力調査」によると、就職者に占める35歳以上の割合は、図1のように年々低下しています。
2013年には就職者の約半数が35歳以上でしたが、2021年には3割程度に落ち込んでいます。
一方、求人倍率を年齢別にみると、図2のように40代以上では1倍未満と低調です。
20代や30代と比較すると、40代の求人倍率の低さが明らかです。
このデータから、40代以降の転職希望者が減少していることと、40代以上向けの求人が不足している実態が浮き彫りになります。
40代転職が厳しい理由
前節のデータからも明らかなように、40代の転職には困難が伴うのが現状です。
では、なぜ40代の転職がこのように厳しくなっているのでしょうか。
以下に、主な理由を整理します。
(1) 採用側の年齢に対する偏見
多くの企業が、採用において若年層を優先しています。その背景には、「40代以上は教育が難しい」「体力的にも不安がある」などの偏見があると考えられます。実際には個人差が大きいものの、年齢だけで一律に判断するのは問題があるといえます。
(2) スキルと給与のミスマッチ
40代になると、ある程度の収入を得られることを期待する一方、企業は未経験の40代を初任給で雇用したがります。スキルと給与水準のミスマッチが採用の障壁となっています。
(3) 若年層との条件差
企業が設定する勤務時間や休暇などの労働条件は、未婚の若年層を想定したものが多くなっています。
40代には家庭の事情を抱える人も多く、そうした条件に合わなかったり、会社の理解が得られなかったりすることが課題となっています。
このように、40代の転職が厳しい理由として、採用企業側の意識の問題があると考えられます。
40代転職の現状と特徴
実際に40代で転職活動をする場合、どのような特徴があるのでしょうか。
以下に、40代の転職事情を整理します。
(1) 定年後の生計を考えての転職が多い
40代の転職理由として、定年後の生計不安を解消することが上位に挙げられます。
自社の定年制が厳しいなどの事情から、より長く働ける企業を求めるケースが多く見られます。
(2) 特定の職種・業界に集中する
40代の転職先は、自動車、精密機器、建設などの製造業が多数を占めます。
これは、技能を生かせるこの業界で安定した雇用を得られるからだと考えられます。
一方、ITなどの成長業界への転職はまだ一般的ではありません。
(3) 職種変更は困難
40代になると、長年の職業人生で培った職種の専門性が高まります。
他の職種への転換は難易度が高く、実現は困難なケースが多いのが実情です。
職種については柔軟性が低下することを認識する必要があります。
(4) 転職サポートを活用する
40代の転職者は、ハローワークや民間企業の転職エージェントなど、外部のサポートを得て就職活動を行う割合が高くなっています。
自力での転職活動は難しく、専門家のアドバイスを得る必要性が高まっています。
このように、40代の転職には年齢特有の事情が存在します。自身の状況に合わせて活動していくことが大切です。
40代転職成功のための具体策
(1) 採用実績のある企業を選ぶ
40代採用に前向きな企業を選定することが重要です。業界各社の採用データを調べ、40代の登用実績がある企業に絞り込みましょう。
(2) 職務経歴書のブラッシュアップ
履歴書ではなく職務経歴書を提出することをおすすめします。職務経歴書なら職歴を時系列で詳述でき、力量をアピールしやすくなります。
(3) 面接の第一印象を意識する
面接では第一印象を左右する身だしなみや言葉遣いに気をつけましょう。
40代らしい落ち着きと社会性をアピールすることが重要です。
(4) 早めの退職準備
在職中から退職後の生計を考え、資金やスキルの確保を進めておきましょう。
退職後は生活設計と転職活動の両立が困難です。
(5) 転職サポートを活用する
ハローワークや民間企業の転職サポートを利用し、専門家のアドバイスを得ることをおすすめします。
自分一人での転職活動は困難です。
(6) 職種変更は慎重に検討する
職種を変更する場合は、習熟期間や労働条件などを慎重に検討し、リスク管理を怠らないでください。
このように、細心の注意を払いながら計画的に取り組めば、40代でも転職成功の可能性は十分にあるといえます。
おすすめの40代の転職先
(1) 介護業界
少子高齢化により人手不足が深刻化しており、優秀な人材を歓迎しています。
資格取得支援や居住型サービスなど、40代向けの環境も整っています。
(2) 教育業界
私立学校では40代の教員を積極採用しており、生徒指導などで実績が期待されます。
公立学校でも任期付き採用などの道は開けています。
(3) 官公庁
自治体では道路・下水道・防災などのインフラ管理業務に40代の技術者を登用する例が増えています。専門性を生かせるポストがあるので検討してみてください。
この3業種は、40代の知識と経験を最大限に活用できる場です。
ミスマッチなく安定した雇用を得られる可能性が高いでしょう。
40代転職Q&A
最後に、40代転職に関する質問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q. 40代の転職先が見つからないのですが、どうすればいいでしょうか。
A. 40代向けの求人サイトを利用することをおすすめします。
また、知人に口コミで企業を紹介してもらう方法もあります。
業界団体の人材紹介サービスも活用してみてください。
Q. 介護職に転職したいのですが、経験が必要でしょうか。
A. 介護職は未経験からでもスタートできます。
必要なのは熱意と責任感です。
優れた人材であれば歓迎されるはずです。
資格取得支援もあるので、40代でも安心して就職できる業界といえます。
Q. 職種を変えて起業したいのですが、失敗しないでしょうか。
A. 起業のリスクは高いので、十分な事前調査と準備が必要です。
起業支援機関を利用してアドバイスを得ることをおすすめします。
事業計画を慎重に立て、資金調達の方法も考えておく必要があります。
このように、年齢にとらわれることなく、望ましい転職先を見つけることができます。
計画的に取り組みましょう。
おわりに
本記事では、データを交えて40代の転職が厳しい理由と実態を詳しく解説しました。
その上で、40代の転職を成功させるための具体的なアドバイスを数多く提示しました。
40代で転職をお考えの方は、ぜひ参考にして前向きに就職活動を進めてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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