転職活動の大きな関門となるのが、一次面接です。
一次面接で面接官に好印象を与えることができれば、次の段階へ進むチャンスが大きく広がります。
本記事では、転職一次面接において重要なポイントとなる「自己PRの仕方」と「面接時の対策」を具体例とともに詳しく解説します。
一次面接に自信を持って臨み、転職を成功させましょう。
自己PRで面接官にアピールしたい3つのポイント
(1)会社への働く意欲
事前に会社の業界、事業内容、特徴を調べ、その会社で働く意欲が高いことをアピールしましょう。
会社の業界・事業・特徴をしっかりと調べる
面接前に、志望する会社の業界ではどのような位置付けか、主要な事業内容は何か、競合他社と比べた強みはあるか等を調べておきましょう。
会社の魅力や成長性を捉える
調べた内容から、自分がその会社を魅力的だと感じる点や、成長している事業等をピックアップします。
会社で働く意欲の高さを明確に表現する
「大変魅力を感じている」「強い関心がある」などの表現で、その会社への意欲の高さをはっきりと伝えましょう。
業界No.1シェア、成長著しい海外事業など、可能な限り具体的な事実を用いて説明します。
例:貴社は業界No.1のシェアを誇る老舗企業だと拝見し、大変魅力を感じています。特に成長著しい海外事業に強い興味があります。
(2)自分の適性
会社が求める人材像と、自分の経験・スキルの適合性をアピールしましょう。
求められる人材像を把握する
面接する会社がどのような人材を求めているのかをしっかり把握します。
自分の経験とスキルを整理する
自分がこれまでに蓄積してきた経験とスキルを明確に整理します。
適性の高さを明示する
会社が求める人材像と自分の経験・スキルを対比させ、高い適性があることをはっきり示します。
「10年以上の営業職」「コミュニケーション能力が強み」などの具体例を用いて適性を訴求します。
例:営業職として10年以上の経験があります。貴社が重視されている積極性とコミュニケーション能力は私の強みでもあります。
(3)会社への貢献意欲
会社の発展に貢献したい思いを伝えましょう。
会社のビジョンや課題を把握する
面接する会社が目指すビジョンや、現在抱える課題を事前にしっかり把握しておきます。
自分ならどのように会社のビジョン達成や課題解決に貢献できるかを具体的に想像します。
貢献への意欲をはっきり述べる
「貢献したい」「支えたい」などのキーワードを用いて、貢献意欲の高さを明確に表明します。
「事業拡大を支える」「新規開拓で販路を拡大」など、できるだけ具体的に自分がどう貢献していきたいかを説明します。
例:マイクロ・ナノマシン製造に貢献したい、貴社の事業拡大を支えていきたい
以上の3点を自己PRに盛り込むことで、面接官に好印象を与えられるでしょう。
自己PRの例文
具体的な自己PR例を2つご紹介します。
例:営業職
貴社は業界シェアNo.1の老舗企業として、多くの人々の生活を支えていることは知っています。
特に、成長著しい海外事業には強い関心があります。
私は10年以上の営業職として、新規開拓から顧客管理まで幅広く経験しています。
お客様とのコミュニケーションを大切にする性格も営業に適していると自負しています。
微力ではございますが、貴社のお客様拡大に尽力したいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
例:エンジニア
貴社の自動車部品事業における技術力の高さは業界でも顕著だと存じています。
私は大学で機械工学を専攻し、卒業後は自動車メーカーに就職し様々な部品設計に携わってきました。
精密かつ高品質なものづくりには自信があります。
特に、3次元CADに関するスキルは強みだと自負しています。
貴社のものづくりのプロフェッショナルとして、精一杯貢献させていただきたいと考えています。
自分の職務経験と志向する会社の特徴に合わせて、適切な自己PRを作成しましょう。
一次面接時の対策ポイント
次に、面接当日の具体的対策について5つのポイントを解説します。
(1)先方への事前確認
一次面接に備えて、面接日時、場所、内容、持参するもの等を事前に確認しておきましょう。
面接日時・場所の再確認
面接の日時と場所をもう一度確認します。
日にちや時間の間違いがないか、場所はわかりやすいかをチェックします。
面接の形式・内容確認
グループディスカッション形式か個人面接か、試験等はあるかどうかを確認します。
持参するものの確認
履歴書や職務経歴書等の応募書類の再提出の有無を確認します。
追加資料の要請
自己PRやプレゼン資料の必要性がないか尋ねます。
(2)服装・持ち物の用意
面接当日の服装や持ち物の準備で大切なポイントは以下の通りです。
- スーツなどの服装は落ち着いた色合いのものを選び、爪は清潔に保つ
- 名刺を数枚用意し、訪問カード入れに入れておく
- 履歴書や職務経歴書などの応募書類をクリアファイルに入れて持参
- 会社概要やメモ帳、筆記用具などを携帯する
- 携帯電話はマナーモードに設定し、カバンの中で控えめにしておく
このように身だしなみと持ち物を整えておけば、落ち着いた印象を与えられます。
(3)会社研究と面接想定質問の対策
一次面接に向けた会社研究と質問対策で大切な点は以下の通りです。
- 会社の概要、事業内容、コーポレートメッセージ等を把握する
- 求められている人物像、必要な経験・スキル等を確認する
- 想定される仕事の内容や勤務条件等も可能な限り調べておく
- 自己PRや志望動機といった基本的な質問について答えを検討しておく
- 過去の失敗談や将来の目標などの関連質問も想定し対策しておく
自社の概要、求める人材像、仕事内容等を把握し、関連する質問例に対する回答を考えておきましょう。
会社全体の理解と質問想定の対策を講じておけば、流暢で的確な応答が可能となります。
(4)挨拶とマナー
一次面接での挨拶とマナーにおいて大切な点は以下の通りです。
- 面接官と目を合わせてはっきりとした挨拶の言葉をかける
- 名刺交換は丁寧に両手で渡す
- 面接中は適切な姿勢を保ち、相づちを打つなど好印象の態度で
- 質問への回答は的確で分かりやすい言葉遣いを心がける
- 面接終了時には一言感謝の言葉を添えて礼を言う
第一印象の決まる入口と出口での適切な対応がとても大切です。
立ち居振る舞いなどを意識することで好感度が左右されることを肝に銘じましょう。
(5)的確な応答
面接で的確な応答を行う際のポイントは以下の通りです。
- 質問の核心を理解し、要点を絞った答えを用意する
- 簡潔で分かりやすい言葉を選び、ポイントを明確に述べる
- 相づちを適宜入れることで、回答にメリハリをつける
- 面接官の目線に合わせるように意識し、前のめりの姿勢で
- 身振りやジェスチャーを適度に取り入れ、答えを補強する
質問の趣旨を汲み取り、簡潔明瞭に回答しましょう。
相づち、目線、姿勢にも気をつけることがポイントです。
このように、事前の準備を怠らずに臨むことが一次面接成功のカギとなります。
代表的な面接質問と回答例
次に、一次面接でよく聞かれる質問と、回答例を5つ紹介します。
Q1. 自己紹介をしてください
事前に準備した自己PRを基に、会社の魅力や自分がそこで活躍したい意欲についてアピールします。
例:貴社が業界トップのシェアを誇る実績ある企業であることに魅力を感じました。
特に近年力を入れている海外事業の伸長が期待される中で、営業職として約10年の経験を生かして貢献できればと考えています。
自己PRでは会社への理解や志向性を前面に出しつつ、自分の経験との適合性にも言及することがポイントです。
Q2. 過去の失敗談について教えてください
過去の失敗談については、実際に経験した具体的なエピソードを明確に提示した上で、そこから自分がどのような教訓を得たのかを説明することが大切です。
例:過去に担当した新製品の発売日を突然1週間後ろ倒しにされるハプニングがありました。
発売延期の連絡が遅れたことで準備が整わずに慌てて対応することになり、教訓として、関係部署との連携を密に取り、スケジュール変更の可能性に対する余裕を持って臨むべきだと学びました。
上記のように、実例と教訓を明確に示す形式が良いでしょう。
Q3. 当社への志望動機を教えてください
志望動機については、面接前の会社研究で得た内容を活用しつつ、自分の意欲や思い入れを具体的に説明をしましょう。
例:当社は業界No.1のシェアを誇る老舗企業で、高い技術力と豊富な実績が大変魅力的だと感じました。
特にエコカー部品の分野で世界トップクラスの実績を上げていることに強い関心があります。
私自身、エンジニアとしてエコ技術に造詣が深いことから、その専門性を当社のエコカー事業の更なる発展に生かしていきたいと考えています。
熱意ある思いと自分の適性とを合わせて伝えることがポイントです。
Q4. 仕事で大切にしていることは?
仕事において自分が何よりも大切にしていることとして、コミュニケーション、チームワーク、責任感といったキーワードを使いながら説明するのが良いでしょう。
例:仕事上ではメンバーとのコミュニケーションを大切にし、意思疎通を図りながら信頼関係を築くことを心がけています。
その上で、チームとしての目標達成に向けて各々の強みを活かすことを重視しています。
また自分の役割と責任を強く自覚し、主体的に速やかに行動することをモットーとしています。
Q5. 5年後のキャリアプランは?
会社のビジョンや戦略方向性をしっかり把握した上で、自分がその中でどのように成長していきたいかを述べることが大切です。
例:当社が更なる業容拡大に向けて海外事業の強化をかかげていることを拝見しており、5年後にはアジア地域のマーケティング部門で活躍していきたいと考えています。
これまで国内マーケティングに従事してきた経験とノウハウを基に、新興国市場を中心とした海外マーケティングに取り組み、当社のアジア進出を推進する役割を担いたいと志しています。
こうした質問対策を行うことで、円滑な一次面接が可能となります。
まとめ
転職活動において、一次面接は大きな関門です。
この面接で面接官に好印象を与え、次のステップへ進む可能性を高めることができます。
自己PRではまず、会社への熱意や自分の適性、貢献意欲をアピールすることが大切です。
会社研究をもとに思い入れを具体的に伝えることがポイントとなります。
また当日の対策として、事前確認や服装・持ち物の用意、会社理解と質問対策を徹底する必要があります。
挨拶や応対のマナーにも気を配り、的確な応答を心がけましょう。
自己PRと面接対策を万全なものとすることで、新たな可能性に満ちた職場での活躍のチャンスをつかむことができるはずです。
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