志望動機を書く意義と重要性
採用担当者から見て、履歴書で最も重視されるのが「志望動機」です。転職サイトdodaが企業の採用担当者100人以上に実施したアンケートでは、履歴書の内容で最も重視するのは「職歴」に次いで「志望動機」との回答が23%を占めました。
志望動機とは、応募先企業で働きたいと思った理由を簡潔に記載する欄のことです。企業はこれを確認することで、以下の点を判断しようとしています。
- 自社への熱意や志望度
- 自社の魅力をどの程度理解しているか
- 自社の文化にマッチするかどうか
したがって、志望動機を書く目的は、企業に自分の思いを正確に伝え、「この人なら社員としてふさわしい」と判断してもらうことにあります。形だけの記載では評価されないため、内容の工夫が不可欠です。
志望動機の書き方の基本的なルール
志望動機を書く上での基本ルールを押さえておきましょう。
- 分量の目安は職歴書冒頭で5~6行程度
- 箇条書きは避ける
- 他社への応募で使い回しはNG
- 会社説明会等で得た情報を活用する
- 自分語りに偏らないようにする
- 面接で話す内容と一致させる
このほかにも、記載スペースに合わせて要点を絞ることが大切です。簡潔に自己アピールできる力が問われています。
職種・立場別の志望動機の書き方
志望動機の書き方は、現在の立場によって留意点が異なります。代表的なケースを見ていきましょう。
(1)未経験職種への転職
未経験の職種にチャレンジする理由や背景を丁寧に説明します。学生時代からの関心や志向性、自己研鑽の経緯を記載し、熱意をアピールしましょう。
(2)第二新卒での転職
入社後短期間での転職は「すぐ辞めるのでは」との疑念を持たれやすいため、責任感や成長意欲を示す内容にすることがポイントとなります。
(3)同業界での転職
どの点を求めて転職するのかを明確にします。前職との違いを簡潔に記載し、知識やスキルがどのように活かせるかを記載します。
このように、現在の立場に合わせた記載が求められます。
志望動機を書くための具体的な33のポイント
志望動機を書くうえでの具体的なポイントを33項目にまとめました。
- 応募先企業の商品、サービス、理念などを理解した上で書く
- 自分の適性、特徴を活かせる点を記載する
- 入社後の仕事に対するビジョンを示す
- 採用担当者の立場になって読む
- 魅力点と転職理由の関連付け
- 実体験に基づく内容
- 自分のスキルとのつなげ方
- 簡潔に要点をまとめる力を磨く
- 面接での答えを想定して練習する
- 業界トレンドへの関心を示す
- 会社の商品を利用した体験を記載
- 成長意欲を表現する言葉を選ぶ
- 会社の特徴を活かせる点を記載
- 人脈から得た実態を活用する
- 強みと仕事内容を関連付ける
- 数字データを用いて説得力を高める
- 業界用語を適度に取り入れる
- 会社の問題意識に触れる
- 想定される反論に対する答えを示す
- 自己分析に基づいて記載する
- 学びたいと思う根拠を具体的に記載
- 志望動機の全体構成を考える
- エピソード形式で記載する
- 複数の視点から記載する
- 変化を求める思いを伝える
- 尊敬する人物の考え方を参考にする
- 社風や環境に求める点を記載
- 周囲からの評価を引用する
- 面接官の質問への答えを想定
- 語尾を上げる表現を使う
- 合間に感動詞や疑問詞を取り入れる
- 気さくな表現は避ける
- 読み手を引きつける文末表現
このポイントを意識して志望動機を練り上げることで、説得力と読み手への訴求力を高めることができます。
志望動機のNG例とその改善法
志望動機でよく見られるNG例とその改善法を示します。
(1)「貴社の理念に共感した」
→共感した内容と理由を具体的に記載
(2)「商品が良い」
→利用体験と分析的視点を記載
(3)「教えてください」
→自ら学ぼうとする姿勢を記載
(4)「○○さんに勧められた」
→自分なりの理由づけを記載
(5)「安定志向」
→成長意欲を表現
このように、一般的過ぎる表現や、受動的な表現は採用のマイナス材料となります。徹底的に検討して克服しましょう。
志望動機に関するQ&A
最後に、志望動機に関するFAQをまとめました。
Q.他社との比較はNG?
A.競合他社との比較は控えめに。自社の魅力が分かる表現を。
Q.本命企業以外での「第1志望」は?
A.熱意をほのめかす表現を選ぶのが良い。
Q.迷っていることを話してよい?
A.決めている旨をはっきりさせ、熱意を示すこと。
以上が、履歴書の志望動機を書くためのポイント33選です。自分の経験と強みを活かした志望動機を作成し、採用担当者からの評価を高めましょう。
まとめ
履歴書の志望動機は、採用担当者に自分の思いを正確に伝える大切な機会です。自社への熱意や自分の適性をアピールする内容を心がけましょう。基本ルールを押さえ、状況に応じた記載をすることが重要です。33の具体的なポイントを参考に、説得力と訴求力のある志望動機を作成しましょう。自分らしさを出しつつ、採用側の立場に立って検討を重ねることが大切です。志望動機を磨くことで、履歴書選考の通過率が確実にアップします。本記事が、志望動機作成の一助となれば幸いです。
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