はじめに
営業職への就職や転職において、志望動機は採用の可否を左右する重要な要素です。しかしながら、自分の経験やスキル、志望企業の魅力をうまく言語化できずに、志望動機作成に苦労する方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、営業職の志望動機作成のポイントと주の例文を紹介します。業界・職種・企業を選んだ理由から自分のスキルと志望企業での貢献ポイントをうまく関連付ける方法、さらには志望動機のNG例文も解説します。
営業職への就職活動や転職活動の際に、この記事を参考に、採用担当者に合致性と可能性をアピールできる志望動機を作成してみてください。即戦力として高く評価される志望動機作成のポイントをマスターしましょう。
志望動機作成のポイント
志望動機を作成する際の主なポイントを整理しましょう。
業界・職種・企業の選定理由
営業職への転職において、なぜその業界や職種、企業を選んだのか、選定理由を明確に示すことがとても重要です。
業界選定の理由としては、自分が興味のある業界であること、成長性の高い業界で働きたいこと、社会貢献度の高い業界で働きたいことなどが考えられます。
職種選定の理由としては、営業職の仕事内容に魅力を感じていること、対人スキルを活かしたいこと、数値目標達成型の仕事が向いていることなどが挙げられます。
企業選定の理由としては、企業の商品やサービスに魅力を感じていること、企業理念に共感できること、企業の強みを活かして成長できることなどが考えられます。
これらの理由を、自分の言葉で具体的に記載することが大切です。他社も同じ業界や職種である場合が多いので、なぜ志望企業なのか、他社との違いを明確に打ち出す必要があります。
自分のスキルと志望企業での貢献ポイント
次に、自分の経験やスキルをどのように活かして、志望企業で貢献できるのかを関連付けて記載することが重要です。
例えば、「自動車部品メーカーでの営業経験で培った技術理解力を活かして、貴社の新製品の説明会を成功させ、売上拡大に貢献したい」といった具合に、自分のスキルと志望企業での貢献イメージを明確に示すことができれば、採用担当者に強いアピール力となります。
できる限り具体的な活用方法と数字で示した貢献(売上拡大等)を盛り込むことを心がけましょう。「〇〇ができます」ではなく「〇〇できるので、△△によって◎%の業績向上ができる」と記述するイメージです。
ネガティブな内容は避ける
志望動機では、前職や業界、会社への批判的な記載は避けるべきです。
例えば「前職では残業が多くて大変でした」「業界の勢いがないと感じました」などの記載は、ネガティブな印象を与えかねません。自分の意向とは別に、批判的な記載は採用担当者からマイナスに捉えられる可能性が高いことを認識しましょう。
自分の思いを前向きな表現で記載する工夫をしましょう。例えば「ワークライフバランスを重視している貴社で働きたい」「成長率の高い業界で力を発揮したい」など、建設的な表現を用いることをおすすめします。
目標達成意欲を示す
営業職には高い達成意欲が求められます。志望動機では、目標達成に対する意欲や成長意欲を示すことが大切です。
例えば「営業目標を達成するためには何でも全力で取り組む覚悟です」「日々研鑽を積み、トップセールスパーソンを目指します」など、前向きな姿勢を示す言葉を取り入れることをおすすめします。
数字で具体的な目標達成実績があれば、それも記載するとよいでしょう。自分の高い目標達成力がイメージしやすくなり、意欲的な印象を与えられるからです。
営業職の志望動機例文
次に、実際の営業職の志望動機例文をいくつか紹介します。これらの例文を参考に、自分の経験に合わせた志望動機を作成してみてください。
法人営業 志望動機例文
【未経験者の例文】
私はこの度、貴社の法人営業職を志望するに至りました。貴社が扱う医療機器業界は、高齢化社会を迎え成長が見込める分野であると考えています。私は医療分野で社会に貢献できる仕事にやりがいを感じており、医療機器の法人営業に挑戦したいと思っています。
これまで小売業の営業として、新規顧客開拓から提案、契約まで多くの実務経験を積んできました。特に、顧客ニーズを把握する傾聴力は強みだと自負しています。これらのスキルと経験を活かして、病院関係者との信頼関係を築き、貴社の医療機器の優位性を訴求することで、販売数拡大に寄与できると考えています。
貴社の「患者の健康を最優先する」という経営理念に共感を覚えました。微力ながら、医療分野で社会貢献に尽力できるよう尽力して参ります。
【経験者の例文】
私は5年間、自動車部品の法人営業に携わってきました。主に新規開拓から提案、受注、アフターフォローまで幅広い営業業務を経験してきたことで、対人コミュニケーション力やプレゼン力が身に付いたと自負しています。転職後は、これまで培った営業スキルを活かし、より大きな成長を遂げたいと考え、貴社への転職を希望しています。
貴社が扱う最先端の医療機器分野が成長著しい点に魅力を感じています。私は転職後、即戦力として、これまでの営業経験をフルに活用し、病院関係者との人脈構築を早期に行いたいと考えています。早期に強固な関係性を構築することで、貴社の医療機器の優位性を訴求し、新規顧客の獲得と受注目標の達成に貢献できると確信しています。入社後は3年で年商2億円を達成することを目標に、日々努力を重ねて参ります。
個人営業 志望動機例文
【未経験者の例文】
私はこの度、貴社の個人営業職を志望するに至りました。貴社の扱う生命保険商品は社会的な重要性が高く、営業としての使命感と誇りを持って働けると感じました。私は大学時代に訪問販売のアルバイトを経験したことがあり、対面で商品説明し、契約を取り付ける営業に向いていると自覚しています。
これまで、接客業として多くのお客様とコミュニケーションを取る機会がありました。その結果、相手の話を丁寧に聞くことでニーズを把握し、的確な商品提案ができる能力が身に付いたと考えています。この経験と能力が、保険営業でも活きるはずです。お客様一人ひとりのニーズに合った最適な商品をご提案できるよう、日々努力を重ねて参ります。
入社後は、早期に上位の営業成績をあげ、エリートセールスマンを目指したいと考えています。微力ながら、貴社の発展に寄与できるよう全力で取り組みます。
【経験者の例文】
私はこれまで5年間、損害保険の個人営業に従事してきました。保険営業の難易度の高さを実感するとともに、顧客に最適な保険を提供できた時の達成感を味わうことができました。しかしながら、現在の会社では保険商品のラインナップが限定的であることから、より幅広い商品セットを扱う貴社での営業に魅力を感じ志望しております。
これまでの営業経験で培った商品知識と、顧客の立場に立った親身な提案力が、貴社での業務遂行に活かせると確信しています。特に、生命保険は長期的な関係構築が不可欠です。これまでの人脈と信頼関係が生かせる貴社で、保険コンサルタントとして専門性を磨き、高い顧客満足度を実現したいと考えています。
入社後は、月商500万円達成を目標に、貴社の発展のため全力を尽くす覚悟です。どうぞよろしくお願いいたします。
医療機器営業 志望動機例文
【未経験者の例文】
私はこの度、貴社の医療機器営業職を志望するに至りました。看護師としての臨床経験が長く、医療現場での機器ニーズを肌で感じることができました。その体験から、営業として医療現場に貢献したいという思いが高まり、転職を決意しました。貴社の医療機器が高いシェアを誇っている点にも魅力を感じています。
これまで看護師として、医師や患者様とのコミュニケーションを大切にしてきました。その経験が、病院関係者との人脈構築に活きるはずです。貴社の医療機器の品質と実績を説明するだけでなく、お客様の立場に立った丁寧な提案を心掛けます。
医療業界にはまだまだ解決すべき課題が多くあると感じています。微力ではありますが、貴社の医療機器を通じて、課題解決に貢献していければと考えています。精一杯の努力を重ねて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【経験者の例文】
私はこの度、貴社の医療機器営業職を志望するに至りました。これまで5年間、医薬品のMRとして主に病院営業を経験してきました。医療従事者と信頼関係を構築し、ニーズに合った提案をする営業スキルを身に付けることができました。
転職後は、医療機器分野でさらに高い専門性を磨きたいと考えています。貴社の扱うカテーテルはシェアNo.1であり、最先端の製品技術が魅力的だと感じています。MRとしてのコミュニケーション能力とプレゼン力を活かして、貴社の医療機器が持つ優位性を積極的にアピールし、病院関係者からの信頼を獲得したいと思っています。
入社後の短期目標として、1年以内に月商1億円の達成を目指します。医療分野への情熱をバネに、貴社の事業拡大と利益確保に尽力する覚悟です。何卒よろしくお願いいたします。
その他の職種例文
上記以外の営業職種についても、同様の構成で志望動機例文を作成することができます。自分の経験と志望企業の業種業態に合わせて、アレンジしてみてください。
志望動機のNG例文
最後に、志望動機作成時の注意点として、NGとなる例文を見ていきましょう。
業界・職種・企業への批判
【NG例文】
前職の自動車部品営業は、残業が多く大変でした。ワークライフバランス重視の貴社で働きたいです。
【NGのポイント】
・前職の業務環境を否定的に述べている
【改善例文】
ワークライフバランスを重視されている貴社で、やりがいを感じながら働きたいと考えています。
目標達成意欲が感じられない例
【NG例文】
貴社では個人目標がないと伺いました。プレッシャーなく働けそうで魅力的です。
【NGのポイント】
・目標達成意欲が感じられない
【改善例文】
目標達成のプレッシャーは大変ですが、結果の達成感は大きなやりがいです。貴社でもトップセールスを目指して努力したいです。
ネガティブな表現
【NG例文】
前職の上司とは信頼関係が築けず苦労しました。貴社では人間関係構築に自信があります。
【NGのポイント】
・前職の人間関係を否定的に述べている
【改善例文】
これまで対人関係構築には自信があります。貴社でも円滑なコミュニケーションを図りたいです。
おわりに
以上、営業職の志望動機作成時のポイントとNG例文を解説しました。
志望動機作成のコツとしては、業界・職種・企業を選んだ理由、自分のスキルと貢献ポイントの関連付け、前向きな表現で記載することが重要です。
採用担当者に対して、合致性と可能性を訴求できる志望動機を心掛けることで、営業職での採用競争率を高めることができるはずです。本記事が皆様の就職活動や転職活動にお役立ていただければ幸いです。
コメント