様々な転職方法がある中で、プロに相談しながら仕事を探せると人気の求職方法である転職エージェント、若い方を中心に一般的な求職方法として定着しました。
その転職エージェントには、転職を希望する求職者がインターネットなどを通じてアクションを起こす登録型と、企業から求人を預かったエージェントから求職者にアクションするサーチ型が存在しています。
登録型の一次面接合格率はおおよそ30%であるのに対し、サーチ型は50%を下回ると問題になるくらいの違いがあるですが、その理由の一つとして「きっかけ」と「理由」の伝えやすさがあげられます。
ここではサーチ会社経由で面接を行う求職者が何故有利なのかについて触れながら、「きっかけ」と「理由」の伝え方の秘訣をご紹介します。
採用面接で敬遠される人の特徴
まずは、転職エージェント限った話ではなく、企業が採用したいと思わない人には共通した特徴があります。
- 自分の力で状況を改善する努力をしない
- 常に他人のせいにする
- 社内の人間とコミュニケーションを取ろうとしない
- 青い鳥症候群(自分を過大評価している)
面接官はどこの企業での上記の特徴があるかどうかを様々な質問を通し確認していきます。
一方で、転職を考える人の多くは、多少なりともネガティブな問題を抱えており、転職しようと考えた「きっかけ」として、下記のような回答をしがちです。
- 上司とそりが合わない
- 査定が低くて給料があがらない
- 裁量を持たせてもらえない
上記のような、多くの人が感じるような一般的な問題であったとしても、「きっかけ」を伝えると、印象として企業が採用したくない人が持っている特徴に結びついてしまいます。
「きっかけ」と「理由」の違いをはっきりさせる
「きっかけ」と「理由」は混在しがちですが、大きな違いがあります。
例えば、フィギュアスケートの一流選手の中には「姉(兄)がスケートをやっていて、練習をみて楽しそうだったから」という「きっかけ」をあげる人がいます。これはあくまで「理由」ではなく「きっかけ」です。そこには主体性がありません。
しかし、フィギュアスケートを続けている理由を聞くと、明確な「理由」が返ってきます。「努力して上手になっていくことが楽しかった」「「滑ることが好きだった」といった、ポジティブで主体性のある回答が返ってきます。
転職活動にも同じことが言えます。「きっかけ」はあくまでも転職しようと考えた事象であり、転職したい「理由」は別に存在しています。「裁量権を持って能動的に仕事に関わりたい」「実力主義で努力しただけ評価される文化の中で働きたい」といった「理由」があるはずなのです。これが言語化できていないと、面接では落ちてしまいます。
仕事上でのネガティブな問題は、転職を考える「きっかけ」にすぎなくて、転職する「理由」ではありません。その違いをはっきりと理解して、正確に面接官に伝える必要があります。
「きっかけ」はヘッドハンティングされたから
サーチ型の転職エージェントを利用している求職者の場合、「きっかけ」は「ヘッドハンターから声をかけられたから」と回答することができます。そこにはネガティブな要素は含まれません。理由を聞かれたら「御社の話を聞いて興味を持ち、一度話を聞いてみたいと思った」と伝えればよいのです。
【例】ヘッドハンターの人から声をかけていただき、御社が今、行おうとしているプロジェクトの内容を聞き、興味を持ちました。自分の力をそのようなアグレッシブな環境で試したいと考え、応募しました。
いくらヘッドハンターから声がかかったからとはいえ、現職に対してネガティブな問題がなければ、転職しようと考える人は少ないです。しかし、そこまで深く掘り下げて聞かれることはなく、企業の興味は応募理由に向かうため、有利に面接を進めることができます。
面接の場では「きっかけ」と「理由」を混同している
面接官の中にも「きっかけ」と「理由」の違いを意識していない人がいます。面接官から「きっかけ」について質問されたのに、面接官は「理由」まで含めて聞いているパターンもあります。そうなってしまうと、例えば「給料が低いという理由で転職しようとしている」と勘違いされてしまうことになります。
面接の場での原則は、「聞かれたことに対して正確に回答する」ことであり、聞かれていないことまでも長々と話をするのは御法度です。しかし、転職を考えた「きっかけ」を聞かれた場合、「理由」まで伝えたほうが良い場合があります。その際は、なるべく簡潔に付け加えるようにしましょう。
【例】頑張って営業成績をあげても給料が変わらない状況が続き、もっと成果主義の会社で自分の力を試してみたいと考えるようになった。新しい提案をしても議題にさえあがらない環境ではなく、若手社員の意見を聞く仕組みがある会社で働きたいと思った。
まとめ:ネガティブな「きっかけ」をポジティブ変換する
面接合格率をあげるためには、当事者意識が強く、主体的であり、ポジティブな考え方ができることをアピールしなければなりません。ときに、転職を考えた原因というネガティブな要素が邪魔をすることがあります。そうならないためには、面接の前準備がとても重要です。
ネガティブな「きっかけ」を、言語として表現できるようにポジティブ変換しておきましょう。「落ち着きのない子」は同時に「元気で快活な子」でもあります。物事には必ず「表」と「裏」が存在します。「きっかけ」と「理由」もある意味、同じような「表」と「裏」の
関係性なのです。
はっきりと区別し、対比的な表現で、誤解のないように伝える準備をしっかりとしたうえで、採用面接に挑むようにしてください。
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