就職したい企業が見つかったときに、求人票だけでなく企業の公式ホームページをチェックする方がほとんどかと思います。(この作業を企業研究や業界研究とも呼びます。)
誰もが自分が興味のある企業は優良企業であってほしいと思うことでしょう。
ただ、企業のホームページのみで優良企業なのかを見極めることは正直難しいといえます。
この記事では、ホームページを通して少しでも優良企業なのかを見極めるポイントを解説していきます。
ホームページで確認したい「6つ」のポイント

企業のホームページを確認することは、その企業に関する情報を入手するための主要な情報源の1つです。
ホームページは全体を確認することが前提ではありますが、特に確認しておきたい箇所を6つ挙げます。
企業概要
企業概要では、以下のような情報を知ることができます。
- 会社名
- 設立日
- 代表取締役
- 本社所在地
- 資本金
- 売上高 など
他にも従業員数や営業所数、主要取引先の項目があれば、企業の規模感を知ることができます。
企業の基本情報を知れる自己紹介のようなページだといえます。
ビジョンとミッション(企業理念)
優良企業は、自分たちのビジョンとミッションを公開し、目標や課題にどれだけ真剣に取り組んでいるかを示していることがあります。
企業理念を通して、その企業がどんな想いや価値観で事業を行っているのかを確認しましょう。
さらに会社の代表挨拶やメッセージなどもあれば、経営者自身の価値観を知ることもできます。
その企業で働くことを想定し、企業や経営者の価値観を知っておくことは最も重要なことだといえます。
IR情報
IR情報は企業が投資家および株主に提供する情報のことを指します。
近年では投資家や株主だけでなく、顧客や社会に向けても情報を発信しています。
IR情報では、以下のような情報を知ることができます。
- 経営情報
- 財務情報
- 株式情報
- IR資料(決算短信、適時開示など)
- プレスリリース など
IR情報は業績や経営状況を嘘偽りなく発信しなくてはならないため、企業の成長や進化についての洞察を得ることができます。
CSR(企業の社会的責任)活動
CSR活動とは、企業が経済的な利益追求だけでなく、社会的および環境的な配慮も行い、社会に対して貢献するための取り組みのことを指します。
企業の社会的責任プログラムや持続可能性への取り組みに関する情報を確認し、企業が社会的に貢献しているかどうかを評価します。
CSR活動は、以下のような取り組みがあります。
環境保護
- 環境汚染の防止(排出ガスの削減、再生可能エネルギーの利用など)
- 植樹活動
- 生き物の保護
社会貢献
- チャリティ活動(慈善団体への募金や寄付など)
- 教育支援(教育機関や学生に奨学金、教材の提供)
- 社会プログラムへの支援(福祉や災害時に必要な物資の支援、子ども食堂の実施など)
- 地域社会への支援(企業が事業活動を展開する地域のコミュニティへの投資や支援)
従業員への貢献
- 安全で健康的な職場の提供
- ダイバーシティとインクルージョン(多様性の尊重)
- 健康福祉プログラム
持続可能なビジネス実践
- 環境に配慮した製品やサービスの提供
- サプライチェーンの監視(サプライチェーン内での人権侵害や環境への影響を監視し、改善策を導入)
透明性と倫理
- 倫理的なビジネス慣行(不正行為の防止、倫理的な意思決定、社内告発プログラムの設置)
- 透明性と報告(企業のCSR活動に関する情報を公開し、ステークホルダーに対して透明性を提供)
これらはCSR活動の一般的な例ですが、実際の活動は企業や産業に応じて異なることがあります。
社会に対するさまざまな取り組みをしている企業は、優良企業と呼べるでしょう。
沿革
沿革は、その企業の成立経緯や発展過程、重要な節目、業績の変動、事業戦略の変化といった、企業の主要な出来事を知ることができます。
企業の歴史といっても過言ではないでしょう。
老舗であればあるほど、さまざまな社会情勢をどのように乗り越えてきたのかを知ることもでき、今後の企業の在り方を予想することができます。
採用情報
就職や転職を考えているのであれば、採用情報を確認することは必須です。
企業自身が更新していることが多いため、福利厚生などの企業独自の情報は外部の求人サイトよりも確実な情報が得られることでしょう。
ですが、採用情報の内容が最新情報に更新されないまま、求人募集をしている場合もあります。(例:最低賃金を下回っているなど)
労働環境や労働条件が見直されていない場合があるので、優良企業とはいえないでしょう。
外部の求人サイトで企業名を検索し、そこでの求人内容とホームページの採用情報との相違が無いかを確認することが大切となります。
採用ホームページもチェックしよう

近年、公式ホームページ内の採用情報をクリックすると、別のサイトに遷移することが多くなりました。
遷移先のほとんどが、その企業の採用情報だけが掲載されている「採用ホームページ」です。(採用サイトとも呼ばれます)
採用ホームページとは、採用情報に特化した自社サイトのことを指します。
企業が独自で立ち上げたサイトもあれば、以下のような求人媒体を通して作成したサイトもあります。
・engage(エンゲージ/運営:エン・ジャパン)
・Airワーク(エアワーク/運営:リクルート)
・えんとーり(運営:求人ジャーナル)
採用ホームページは実際に働く従業員の声や、企業独自の情報が掲載されているため、応募後や入社後のミスマッチが少ないとされています。
企業側も費用をかけずに求人を掲載することができるというメリットがあるため、多くの企業が取り入れています。
求人媒体を通して作成した採用ホームページは、手軽に開設できるがゆえに、情報量が足りない場合があります。
自分が就職を希望する企業が新卒採用を行っている場合は、新卒向けのサイトやページも参考にしましょう。
新卒サイトは企業で働いたことがない学生向けの作成されているため、企業の規模感や待遇、働き方など詳細が多く記載されています。
最後に

企業のホームページは、転職活動において企業を評価し、求人情報を収集するための重要なツールです。
ホームページを通じて情報を収集し、それを転職活動に活かすことで、自分に適した企業を見つけることに役立ちます。
- 企業概要
- ビジョンとミッション(企業理念)
- IR情報
- CSR(企業の社会的責任)活動
- 沿革
- 採用情報(採用サイト)
まずは、これらのポイントを確認することで、企業が優良であるかどうかの初歩的な判断を行いましょう。
冒頭でもお話ししましたが、ホームページのみで優良企業なのかを見極めることは難しいです。
口コミなどの客観的な情報や実際にその企業で働いている方の声を聞くことも、優良企業と見極めるための判断材料となります。
1つの情報源だけでなく、複数の情報源を元に総合的に評価することが大切です。

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