みなさん、「ブラック企業」というフレーズは一度は耳にしたことがあると思います。
筆者は、漠然とブラック企業には就職したくないと考えていた学生時代を思い出します…
職業柄、学生と話す機会も多いのですが、
実際に学生は口を揃えて、
自分のやりたい仕事はわからないけど「ブラック企業にだけは入りたくない」と話します。
そのくらい「ブラック企業」というワードは浸透している社会なのです。
人生を大きく左右する転職や就職。誰しもが今よりも良い環境に移りたいですよね!
10年以上に渡り、1000社以上にヒアリングし求人票を作成した僕が見つけたいい企業の見つけ方、ブラック求人の見破り方を解説していこうと思います。
そもそもブラック企業とは??
最近では某中古車販売企業のニュースをよく見かけますね。
そこで皆さんが漠然と抱いているブラック企業とはどのような企業でしょう。
「営業ノルマが厳しい」、「労働時間が長い」、「給料が低い」・・・などなどあげればキリがないと思います。
実は「ブラック企業」に明確な定義はない!?
厚生労働省は、「安全衛生優良企業」といういわゆるホワイト企業の定義については記載していますが
実はブラック企業について具体的な定義をしていません。
マスメディアや世論によって広がった言葉になるんですね!(筆者も意外でした…)
ただ厚生労働省も一般的な特徴として、以下の内容を「Q&A」に明記はしています。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
- このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
厚生労働省:「『ブラック企業』ってどんな会社なの?」
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html
定義がないこそ、漠然としていて、そういった企業がなくならない!といったことですね。
では次になぜブラック企業に人が集まってしまうのかについて解説していきます。

求人ビジネスの仕組みを知る
求人票を見る上で大前提、皆さんに知ってほしい事があります。
それは、求人ビジネスの仕組みです。
世の中に出ている求人情報の一部を除いて、この「求人ビジネス」の上で掲載されているものが多いです。

企業は求人を掲載するのに広告会社(求人媒体)にお金を払う
「人手がたりない汗。求人を出さなきゃ!」
企業がそうなったときは、リクルートを始めとした、求人広告の会社に掲載料と言われる料金を支払い求人を掲載します。
掲載枠の大きさや期間によって金額は変わります。
広告会社は、企業に人が集まるように記事を書く
企業が広告会社にお金を払うと言うことは、広告会社にとっては求人を出してくれる企業(人手が足りない企業)がお客さんとなります。なので、広告会社は求人に応募が集まるように求人広告を書く必要があります。

図解するとこんな感じです。
つまり何が起こるのか…?
求人媒体は応募をたくさん集めて、またリピートをもらいたいので、
企業の悪いところは書かない!または3割くらいに減らして書いて
逆に良いところは3倍に盛って書きます!
正直、私もこれまで1000社以上の求人に携わってきているので、こういった表現を少なからずやっていた経験もあります…
人が集まらない企業ほど、きれいな事を書く
人が集まらない求人が続くと、担当はクレームに近い事を企業より言われてしまいます。かつ、営業と広告制作を兼務してる事も多く、ノルマも関わってきます。なので、法律を最低限守りながら、最大限きれいな事を書かなくてはいけなくなります。これが行き過ぎるとブラック求人が生まれてしまいます。
求人にも様々なビジネスモデルがあるので、一概には言えませんが、上記を理解しながら求人票を見るだけでも少し見方が変わるのではないでしょうか?

求人票を見る時のポイント

さて本題の求人票を見る時のポイントです。
いくつかのポイントがありますので、見破りやすいポイントから!
「アットホームな職場」などのテンプレ文を見逃すな!
「アットホームな職場です」や「若手が活躍中」、「ワークライフバランスが整っています」などの表現、
きっと皆さんも目にしたことがあるはず!
実はこれテンプレート文章なんです!!
求人原稿を作る人は1日5本〜10本程度原稿を作成しています。
給与
給与には様々な形態が存在します。
基本的には以下の公式になります。
固定給+インセンティブ+手当
・固定給 必ずもらえる基本的には変動の無い報酬
→下限を割ることはできない
・インセンティブ(歩合) 企業が定めた成果等によって変動する報酬
→変動しても問題ない
・手当 残業や休日出勤、家族有無等、条件に該当すると支払われる報酬
→基本は企業が定めた条件に該当するかどうかで支払いが決定
残業や休日出勤の手当は、法律が定められている。
固定給の形態
時給、日給、月給とあり、それぞれその期間でもらえる報酬を表します。
時給=1時間の労働に対し払われる報酬の額
日給=1日の労働に対し、払われる報酬の額
月給=1ヶ月の労働に対し払われる報酬の額

大切なのはボーナスの査定にも影響する固定給
給与に関しては、必ず固定給の部分を確認して下さい。
なぜなら、固定給に関しては、求人票で明示した下限を割っては行けないという法律があるので、これを割る給与での雇用契約は出来ません。
また、ボーナスに関してもほとんどの中小企業が固定給を基に算出しています。
固定給が求人票の記載よりも明らかに低い場合は注意が必要です。

求人票より大事な情報
実は、求人票よりも大切な情報があります。
・企業のHP
・口コミサイト
上記の2つです。
なぜなら、求人広告のビジネスモデルで記載した通り、求人広告は見やすい反面、企業と広告会社である程度情報操作が可能だからです。

ブラック求人を見破る企業HPの見方
では、ブラック企業を見破るにはどのように企業HPを見ればいいでしょうか?
社員の声
実際の社員の声や体験談が掲載されているか。また、その内容が一方的に良いことばかりでないか注意が必要です。また掲載している社員の入社歴も一つのポイントです。
研修・教育制度
新入社員の研修やキャリアアップのための教育制度が整っているかを確認。具体的な情報が載ってい無い際も注意が必要です。
更新日
情報の最終更新日が古い場合、情報が古い可能性があります。最新の情報を求める姿勢が見られるかをチェックします。
企業のビジョン・ミッション
明確なビジョンやミッションが掲載されているか。それが具体的で実現可能な内容かを見極めます。何よりポイントはそのビジョンに共感できるかどうかです。

口コミサイトの見方

OpenWrok等の口コミサイトではリアルな意見を見る事ができます。
indeedの企業情報でも確認が可能です。
では具体的にどこを見る必要があるのでしょうか?
退職した時の理由は?
やめた方の意見か、在職中の意見かを見極めて下さい。
在職中の意見の場合だと、企業側がコントロールしている可能性があります。
何を理由に退職したかには、その企業で働く上で悩むポイントが凝縮されている言っても過言ではありません。
ただし、注意が必要なのは、辞めるときは何かしらの不満を持っているので、悪い方向性にバイアスが掛かります。
上記のように、求人票だけでは判断が難しいので、求人票、企業HP、口コミサイトのように、得られる情報をできるかぎり集めて下さい。
ブラック企業が使いやすいフレーズ集

ブラック企業は、実態をそのまま書くことができないので、抽象的な言葉を使うことが多いです。
・アットホーム
・人間関係が良い
・頑張りを評価
・成長中 …等
上記のような言葉が乱立するようなら要注意です。
大切なのは具体的な情報です。
例えば…
・アットホーム
→1年以内に入社した社員の定着率が100%
平均在籍年数10年
・人間感関係が良い
→リアルな社員のエピソード
・頑張りを評価
→評価のポイントや期間が明示されている
・成長中
→前期までの業績や今季の業績予測
有料企業なら上記のように、具体的な情報やエピソードが記載されています。
求人票に記載がない場合は企業HPや求人の問い合わせフォームより質問して見ても良いと思います。
おすすめの転職の方法

最後におすすめの転職方法について紹介します。
企業HPより直接応募
企業HPでは、求人票に載っていない求人が掲載されている事があります。
企業側としては、特に焦ってはいないけど、良い人がいれば採用したいというスタンスになります。
これは、実は、継続的に人手が足りない企業では出来ない求人の方法なんです。
計画的に人員配置を考え、先々を見て求人活動をしている企業の特徴の1つでもあります。
転職エージェントを活用
もうひとつは、転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談する方法です。
この際も複数のエージェントを活用したほうが良いでしょう。
良いキャリアアドバイザーに合う事ができると親身になって、転職の相談が可能です。
まとめ
転職は人生の大きな転機となることが多いです。ブラック企業を避け、自分のキャリアと価値観に合った企業を見つけるためには、情報収集とその解釈が鍵となります。この記事を参考に、自分の将来をより良くするための一歩を踏み出してください。あなたの新しいスタートが、最高のものとなることを心から願っています。
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